今回は米国高配当ETFのお話です。
私がSPYDとHDVを購入した考えについてもお話していきます。
「なんとなく外国の株ってとっつきにくいな。」
そういう方もいると思います。
今回の記事で、「選択肢の一つ」を提示できたらなと思います。
米国高配当ETFについて
主な特徴がこちら。
分配利回りが高い。
投資信託やETFでは配当金ではなく分配金と呼ぶそうです。
今回の記事では分配金に統一していますが、普段は配当金って呼んじゃってます。
勝手にリバランスしてくれる。
ファンドの路線から外れた銘柄は自動で入れ替えてくれます。楽です。
経費率が安い。
投資信託の信託報酬みたいなものです。
今回紹介するETFは経費率0.06~0.08%です。
日本の高配当ETFは約0.3%程度なので1/3以下ですね。
税金がややこしい。
米国の会社→【$100】の分配金が出たとします。
→米国で10%課税→【$90】→日本で20.315%課税→【$71.7】
この二重課税をなんとかするには確定申告で外国税額控除が必要です。
(後述します)
米国高配当ETFと言えばこの3つが挙がります。
他にもいくつかありますが、人気どころでチョイスしました。
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
米国株式のうち配当金が平均より高い銘柄で構成される
”FTSEハイディビデンド・イールド指数”に連動するファンド
- 運用会社:バンガード
- 設定日:2006年11月10日
- 構成銘柄:410銘柄(2020年末時点)
- 主要セクター:金融20.8% ヘルスケア13.7% 生活必需品13.6%
- 分配利回り:3.05%(税引前)
- 経費率:0.06%
- 5年間のトータルリターン:+10.48%
一言でいえば「分散がそこそこ効いた高配当銘柄の詰め合わせ」
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)
財務健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる銘柄で構成される
”モーニングスター配当フォーカス指数”に連動するファンド
- 運用会社:ブラックロック
- 設定日:2011年3月29日
- 構成銘柄:75銘柄(2020年末時点)
- 主要セクター:エネルギー22.0% ヘルスケア20.1% 通信14.3%
- 分配利回り:3.98%(税引)
- 経費率:0.08%
- 5年間のトータルリターン:+7.48%
一言でいえば「財務優良+高配当銘柄のエリート75選」
SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF(SPYD)
S&P500の採用銘柄のうち配当利回りが高い銘柄で構成される
”S&P500®高配当指数”に連動するファンド
- 運用会社:ステートストリート
- 設定日:2015年10月22日
- 構成銘柄:80銘柄(2020年末時点)
- 主要セクター:金融22.4% 不動産19.3% エネルギー13.8%
- 分配利回り:4.56%(税引)
- 経費率:0.07%
- 5年間のトータルリターン:+8.17%
一言でいえば「不況には弱いが、高配当利回りが高い」
比較表
VYM | HDV | SPYD | |
運用会社 | バンガード | ブラックロック | ステートストリート |
設定日 | 2006年11月10日 | 2011年3月29日 | 2015年10月22日 |
構成銘柄 | 410 | 75 | 80 |
主要セクター | 金融20.8% ヘルスケア13.7% 生活必需品13.6% 資本財10.1% 情報技術9.0% |
エネルギー22.0% ヘルスケア20.1% 通信14.3% 生活必需品13.8% 公益事業7.6% |
金融22.4% 不動産19.3% エネルギー13.8% 公益事業13.3% 情報技術8.0% |
分配利回り | 3.05% | 3.98% | 4.56% |
経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
5年間の トータルリターン |
+10.48% | +7.48% | +8.17% |
推しポイント | 分散投資 | 財務優良企業 | 高利回り |
それぞれ特徴が分かれています。
一部共通のセクターもありますが、概ね住み分けが出来ていると言えます。
そのため、VYMとHDV、HDVとSPYDなどといった買い方も有効というわけですね。
より分散が効きます。
SPYDとHDVを買った理由
理由としてはこの3つになります。
- SPYDの分配利回りが高かったから
- SPYDは株価の戻りが悪かったから
- SPYDだけでなくHDVと併せ持つことで分散を効かせたいから
順番にお話していきますね。
SPYDの分配利回りが高かったから
コロナ渦でSPYDの分配利回りが6%近くまで上昇しました。
例えば、今の分配利回りは4.56%。税金を引いても3.28%。
SPYDは減配リスクも抱えていましたが、いくらなんでも無配はないでしょうし、
減配しても4.17%を割らなければ、税引後3.0%が維持できます。
将来的に、株価上昇&増配すれば、安定的な収益が得られます。
SPYDは株価の戻りが悪かったから
購入が8月くらい。底から脱して上がり始めた頃です。
どうしても景気敏感なセクターで構成されるSPYDは、
他の2つに比べて戻りが悪かったです。
一部では「このまま下落し続けて終了か?」とまで言われる始末。
高配当株投資はインデックス(積立)と違ってタイミングが重要。
不人気な今こそ買い時。ということで購入に至りました。
SPYDだけでなくHDVと併せ持つことで分散を効かせたいから
SPYDの分配利回りは高いですが、分配金のブレが大きいと一喜一憂してしまいます。
どっしり構えるなら、もう少し分散を効かせたほうが良い。
そこで、SPYDとセクターがあまり被らず、財務優良企業で構成されるHDVを購入しました。
これでエネルギー以外は構成比率5~10%程度です。
少しHDVの分配利回りが物足りない感じはありましたが、安心を取りました。
なぜVYMは買わなかったのか
株価の戻りが早くて「分配利回りが自分には物足りなかった。」
(+買い時の頃にお金がもうなかった)
これに尽きるんですが、将来的な株価の上昇や増配を考慮すると、
「有りだったかな」とも思います。比較的安定した分配金を出してくれます。
外国税額控除
二重課税があるとお話しました。これを解消してくれるのは外国税額控除です。
確定申告することで”外国で引かれた分を最大としてを所得税や住民税から控除する制度”です。
米国の会社→【$100】の分配金→米国で10%課税→【$90】
→日本で20.315%課税→【$71.7】
この場合、最大【$10】分の所得税or住民税が安くなるわけですね。
※必ずしも満額というわけではありません。
私の解釈では、「所得税や住民税を払っている人で、引き代がある人は還付or減額される」
と思っています。間違ってたら教えてください。
詳しくは、税理士さん等への相談が定石だと思いますが、
自分で考えたい方は、会計ツールや、とにかく確定申告してみるっていうも有かもしれません。
2021年分は、私も確定申告でやってみます。
まとめ
米国高配当ETFは、経費率も安く、長期的な値上がりも期待できそう。
長期保有が前提になります。下がったんだけど?って言われても困ります。
それぞれ特徴があるので、どれを選ぶかは相性や好みで。
自分の投資スタイルに合ったものを選びましょう。
日本株には配当控除があることを考慮すると、税金が高い。
配当控除:日本株は年収が695万円以下の人なら配当金の所得税が全額還付。20.315%→5%
外国税額控除:外国株は支払った外国税を最大として総所得から控除。
28.2835%→18.2835%
何かの参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
投資には元本割れのリスクがあります。
投資の際には、十分に学んだ上で行っていただき、
投資に関する決定はご自身のご判断において行っていただくようお願いします。